フェニックス

イヴ・ボンヌフォワ『ドゥーヴの動と不動』
 「最後の身振り」 より

鳥はわたしたちの頭の前に来るだろう、

血の肩が鳥のために身をもたげるだろう。

鳥は嬉々として翼を閉じるだろう

おまえが差し出すおまえの身体、その樹の頂で。

鳥は長く歌うだろう 枝々の中を遠ざかりながら、

影がやってきてその叫びの限界を切り取るだろう。

枝々に刻まれた死のすべてを拒んで

鳥はあえて夜の峰々を飛び越えようとするだろう。

訳:松村栄子