イヴ・ボンヌフォワ『昨日は荒寥と支配して』
 「護衛兵の歌」より

鳥が裂かれて砂になればいい、とおまえは言った、

鳥が黎明の空高く、わたしたちの岸辺であればいいと、

けれど鳥、歌う蒼穹の難破者は、

すでに泣きながら死の粘土の中に墜ちていた。

訳:松村栄子