未完成が頂点だ

イヴ・ボンヌフォワ『昨日は荒寥と支配して』
 「死に顔」より

破壊し破壊し破壊せねばならなかった、

救いはその代価でしかなかった。

大理石の中に現れるあらわな顔を打ち壊すこと、

あらゆる形あらゆる美を打ちつけること。

完成は入口だからそれを愛せ、

だがそうとわかったならすぐに否定し、死んだものとして忘れよ、

未完成が頂点だ。

訳:松村栄子